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リサの独り言★ ~がむしゃら かつ ゆるゆると過ごす日々の出来事~
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楽園のしっぽ★

久々の『本』更新でっす♪

わーーーーーーい、村山由佳さんのエッセイが文庫になったーーーーーー!!!!!!!!!


もはや暴走はいつものことなので、すみません。てか村山由佳さんの本を見て暴走するなというほうが難しい。


しかもしかもこの本なかなか本屋で発見できなかったんですよ!!最近二日か三日おきにしか本屋覗いてなかったからかもしれないけど。一日多いときだと三回くらい本屋に立ち寄る私としては、なかなか読みたいのにすぐ読めなかった一冊です。


そして、待望の田舎暮らしのエッセイです♪この本が単行本で出たときのこと良く覚えてます。

そのとき私は、なんだエッセイか残念って思いました。

当時は、いくら村山由佳さんが好きだといえどもエッセイにはまったく興味がなかった。

でも今は小説とはるぐらいに好きなエッセイ。まぁあくまで好きな作家さんのエッセイっていう条件付ですが。

食わず嫌いってよくないね。つくづく実感。

エッセイがこんなにおもしろいものなんだって昔は全然知らなかった。



村山さんの本は内容も私がものすごく好きな分野に当たるからかな。

だって自給自足の生活ですよ!!??

ものっすごい有名な作家さんで、本もいっぱいだされて直木賞まで受賞されてる方が。自給自足って・・・。

そのギャップだけでも惹かれるし、また美味しそうにそのことを書いてくれるんですよ★いやーーーー訪ねていってご相伴にあずかりたくなっちゃうくらいです!!

じゃあやってみれば?って感じですが、蛇が日常的に出るそうなので無理です。

それはさておき、肝心の内容ですが・・・四季を通じて色々なことにふれられています。ご自身の身の回りのことやモンゴルのロケのことやゆとり教育のことまで。

どれもこれもすごくすごく素敵な言葉で綴られていて、今までもなんとなく知ってはいたけれど(いや本当の意味ではきっと全然わかってないんだけど)実感としてはまったくないことを突きつけられた部分もいっぱいあったし、逆にすごく納得出来る部分もありました。

前者の部分で、一番インパクトが強かったのは

真夏の草原横断の旅に、ヤギの肉を持っていきたいと思います。ただし冷蔵庫も氷もありません、腐らせないためにはどうすればよいでしょうか?

という問い。うん、そんなに一瞬ではわからなかった。答えをみたとき、ガツンって頭叩かれた気分だった。

答えは本で見てみてください。ここで伝えてしまうのはあまりにもったいないので。

後者の部分で、あーこれよくやるって思ったのは、

いけないんだよ、悲しむから。
いったい、これほど的確かつシンプルに、人間関係の真実を言いあてた言葉があるだろうか。


子ども同士の喧嘩が起こると、これ良く言います。言葉としてはちょっと違うけど、『自分がされて嫌なことはしちゃいけないよ』と。

この言葉すごくシンプルだけど、子ども達も納得してくれます。というか子ども達だから納得してくれるのかな。

歳を重ねると、その分だけ余計なもので鎧作っちゃうから、そんなにシンプルには納得してくれない気がする。複雑な要素があったりするし。

でも基本は、『自分にされて嫌なこと悲しいことはしない』ですよね。

話を戻しますが、この他にもいーーーっぱいはっとさせられるような言葉があちこちで光ってました。

そして個人的に気になったのは帯の『理想の田舎暮らし、だった。』という文。

・・・過去形?このわけは文庫版あとがきを読んで納得。その後は帯を見るたびせつなくなります。

このエッセイものすごーーーーくオススメの一冊です。今までここに書いてきた本どれも大好きな本達ばかりだけど、一番いろんな人に読んでみてもらいたいのはこの本です。きっと琴線に触れる言葉に出会えると思います。



「素朴な疑問だけどさ、どうして苦労して野菜なんか作るの?お店でいくらでも売ってるじゃない」
 実際、畑仕事というのは汗だくで作業したからといって必ずしも見返りが約束されるものではない。自分でも、ここまで苦労するなら買ったほうが安いのでは、と思うことが何度もある。でもそれでもなお、ここ十数年ずっとやめずに続けているのは、自分たちの手で作らない限り決して出会えないおいしさがあることを知っているからだ。



 書けないのだ。小説が。
 今までと同じような路線、同じような手ざわりのものなら書ける。いくらだって。
 けれど私は、そういうものばかりを書きたいわけではないのだった。これまでとはまったく違う作品を書いてみたい。もっと深い、もっと高い、あるいはもっと黒々とした、どろどろとした、人間のどうしよもない醜さとどうしようもない愛おしさの両方を極限まで見据えたものを書きたい。
 しかし、そういう衝動や焦燥がわきあがるたびに、農場を取りまく自然や愛しい動物たちの存在は、私の中のそれらを撫でつけ、なだめてくれるのだった。言い換えるとなだめてしまうのだった。

――中略――

 でも、作家としての私にとってはどうなのだろう?この環境に浄化してもらっていていいのだろうか。これまでも時折ふつふつと、メタンガスのように心に湧き上がっていたもの――苛立ちや、怒りや、誰かを妬む気持ちや、自分を嫌う気持ち、勝手に舞い上がったり、凹んだり、おごり高ぶったり、わけもなく泣きたくなったり、人に傷つけられたり、救われたり、人を憎んだり、愛したり――そんなふうな感情の波立ちを、みすみす撫で付けられて平らにならしてしまっていいんだろうか。
 ほんとうは、そういう混沌や混乱の中にこそ、作品へと発酵し育っていくものがたくさん含まれているんじゃないのか。
 どす黒いものはどす黒いままに、尖ったものは尖ったままに波立ちふるえるものはふるえたままにしておいたほうが、いつしかすごい小説へと結実するんじゃないだろうか。
 胃の底が、焦げるような思いがした。
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