lily cup
リサの独り言★ ~がむしゃら かつ ゆるゆると過ごす日々の出来事~
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NO CALL NO LIFE★
旅行中に読んだ本達の紹介です♪でも今回は荷物の事を考慮して2冊しか読まなかったーー!!
今までの国内旅行で4泊とか10冊以上間違いなく読んでたのに!!奇跡だ(笑)
んで、たまたま目に入った一冊です★
帯のキャッチコピーが気になったのと、ジャケの絵に惹かれたので。マンガっぽいイラストもたまに読みたくなるのです★
その気になったコピーは『心が擦り切れそうな恋をした――。』
高校時代特有の感じが描かれてる気がした。この後読んだ一冊も若さを感じたけど。
自分が過ごした高校時代とはまったく違う、でもこーゆー高校生いるんだろうなという感じのイマドキの高校生らしい感じ。
今の私の環境ではこうはなりえなかったけど、環境が違えばこんな生活してみたかった。闇の部分を除いて。
こんな拙い刹那的な恋は、たぶん私にはもう出来ない。だからこそ、心に残る物語でした。
「……航兄がわたしの知らない女の人とつきあいはじめたとき、すごく意地が悪い真っ黒な気持ちになったよ。なんで航兄はわたしだけの航兄じゃないんだろうって。どうすればわたしだけのものになるんだろうって毎晩考えた。……すきっていうのはそういうものだよ。春川はそんな気持ちになったこと、ないんじゃないのかね?」頭にピンクのチューリップが咲いている春川はそういう粘っこい感情とは無縁そうな奴だ。春川はきっと誰かを本気で好きになったことなんてないのだろう。
「あるよ」
と、ところが春川はさらりとそう答えた。
――中略――
指先で器用に煙草をまわしながら話す春川の妙に抑揚のない淡々とした声が、上昇する熱気と逆に冷たく重い空気になって階段の底に沈んでいく。「だからもし俺が、」春川がこっちを見て微笑った。踊り場に射す澱んだ陽光が春川の片頬を照らす。
「本気でどろどろするくらいあんたをスキになったら、あんたを殺したくなるかもよ?」
目をあわせていると、昼さがりの陽射しを気怠く反射する春川の少し薄い色の瞳に吸い込まれそうな気がした。
視線を受けとめたまま有海も微笑って、囁くように答える。
「いいよ」
冷房の効かない階段の湿った熱気が、一人分の距離をあけて座る二人を取り巻いて肌をべたつかせる。体育館でボールが跳ねる音が遠く聞こえた。
冗談で答えたわけではなかった。もし本当にそこまで自分を好きになってくれる人がいるのなら別にそれでもかまわないと、漠然と、けれどたぶん本気で考えた。
耳もとで心地よい声が囁いた。頷いて有海も春川の背中に腕をまわした。胸に耳をつけると心臓の音が聞こえる。冷えた身体をお互いの体温で暖めながら、二人でようやく一人ぶんになったみたいな気がした。春川の存在だけが今ここにあるたった一つの確かなもので、今も未来もわからなかったけれど、それでもかまわなかった。
今までの国内旅行で4泊とか10冊以上間違いなく読んでたのに!!奇跡だ(笑)
んで、たまたま目に入った一冊です★
帯のキャッチコピーが気になったのと、ジャケの絵に惹かれたので。マンガっぽいイラストもたまに読みたくなるのです★
その気になったコピーは『心が擦り切れそうな恋をした――。』
高校時代特有の感じが描かれてる気がした。この後読んだ一冊も若さを感じたけど。
自分が過ごした高校時代とはまったく違う、でもこーゆー高校生いるんだろうなという感じのイマドキの高校生らしい感じ。
今の私の環境ではこうはなりえなかったけど、環境が違えばこんな生活してみたかった。闇の部分を除いて。
こんな拙い刹那的な恋は、たぶん私にはもう出来ない。だからこそ、心に残る物語でした。
「……航兄がわたしの知らない女の人とつきあいはじめたとき、すごく意地が悪い真っ黒な気持ちになったよ。なんで航兄はわたしだけの航兄じゃないんだろうって。どうすればわたしだけのものになるんだろうって毎晩考えた。……すきっていうのはそういうものだよ。春川はそんな気持ちになったこと、ないんじゃないのかね?」頭にピンクのチューリップが咲いている春川はそういう粘っこい感情とは無縁そうな奴だ。春川はきっと誰かを本気で好きになったことなんてないのだろう。
「あるよ」
と、ところが春川はさらりとそう答えた。
――中略――
指先で器用に煙草をまわしながら話す春川の妙に抑揚のない淡々とした声が、上昇する熱気と逆に冷たく重い空気になって階段の底に沈んでいく。「だからもし俺が、」春川がこっちを見て微笑った。踊り場に射す澱んだ陽光が春川の片頬を照らす。
「本気でどろどろするくらいあんたをスキになったら、あんたを殺したくなるかもよ?」
目をあわせていると、昼さがりの陽射しを気怠く反射する春川の少し薄い色の瞳に吸い込まれそうな気がした。
視線を受けとめたまま有海も微笑って、囁くように答える。
「いいよ」
冷房の効かない階段の湿った熱気が、一人分の距離をあけて座る二人を取り巻いて肌をべたつかせる。体育館でボールが跳ねる音が遠く聞こえた。
冗談で答えたわけではなかった。もし本当にそこまで自分を好きになってくれる人がいるのなら別にそれでもかまわないと、漠然と、けれどたぶん本気で考えた。
耳もとで心地よい声が囁いた。頷いて有海も春川の背中に腕をまわした。胸に耳をつけると心臓の音が聞こえる。冷えた身体をお互いの体温で暖めながら、二人でようやく一人ぶんになったみたいな気がした。春川の存在だけが今ここにあるたった一つの確かなもので、今も未来もわからなかったけれど、それでもかまわなかった。
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リサ
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性別:
非公開
趣味:
トランポリン・囲碁・スキー・読書・陶芸
自己紹介:
自由気ままに生きてます★かなりの負けず嫌いで、好きなことはとことんやるタイプです♪
自己顕示欲が強く、何かを作るのが大好き!
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