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リサの独り言★ ~がむしゃら かつ ゆるゆると過ごす日々の出来事~
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でかい月だな★

第19回小説すばる新人賞受賞作です♪


ん?私そんなに賞に興味あったっけ?って声が聞こえてきそうですが。


そりゃあそんなもんに興味あるわけない!!!どキッパリ。


じゃあなぜか、それは帯に村山由佳さん驚愕って書いてあったからですよ★

『生まれて初めて書いた小説が、これか! 見よ。才能とはかくも残酷なものである。書ける人は、はじめから書けるのだ。』


なんて書かれたら読まないわけにはいきません☆


んで、肝心の中身ですが・・・。すごい!!!!おもしろかったーーーー♪


引き込まれるまでに時間が多少かかりましたが入ってしまえば私は、天才だけど悪魔のような中川が次何をいうのか気になり、眼帯少女のかごめがいつ口聞いてくれるのかユキに大ケガをさせた綾瀬は今どこにいるのかなどなど気になってしょうがなくて、一気に読んでしまいました。

当たり前にあったものがなくなった少年が、それをなくす原因になった少年に何を思うのか。周りはどういう反応をするのか。

すごく見に覚えのある感情が交錯していた。行き場のない感情。たぶん誰もが一度くらいは体験してる凶暴でおさえのきかない感情。

それがすごくうまく描かれていて、その収束の仕方も好きだった。




 信じられるだろうか。その夜、ぼくは飽きるほどシュートをし、もう嫌というほどシュートを繰り返したんだ。
 そうしているうちに、色々なことを思い知った。ぼくの右足は、もう本当の本当にバスケをやるには致命的な代物になってしまったんだってこと。ずいぶんと体がなまっていたこと。それから、ぼくはバスケを好きな気持ちまで失う必要なんてまったくなかったんだってこと。だって今、こんなにも楽しい。飽きてなお繰り返せるくらい楽しい。止まっていた時計が動き出したのがはっきりとわかる。ぼくは生き返った。
 いつかまたボールを買おう。夜中にひっそりシュートを決めよう。そんなのは所詮オナニーだ。けど、それがどうした。オナニーして何が悪い!ぼくは開きなおった。
 そうさ。ぼくの穴は永久に埋まらない。だから埋めない。
 もしもこの先まだまだ悪いことがたくさん起こって、もっと大きな穴や、小さな穴や、中くらいの穴が空いたとしても。僕は埋めない。欠けた場所は欠けっぱなしにしておけばいい。だけどぼくには新しい何かが違う場所に付け加えられていくだろう。
 たとえば今、ぼくは中川という要素が加わった。そうやって、ぼくはどんどん姿を変えていき、生まれた頃とは似ても似つかない異形のモンスターになっていけばいい。
 怪獣になったぼくはギャオーっと咆哮を上げ、鉄塔を蹴散らして。――生きるんだ。
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とりあえず読んだ本リスト★ 1月

読んだ本の感想を全然かけないので、自分のためにいつ何を読んだか(★)何を読み返したのか(☆)だけでも毎月リストを作ろうかと。

完全に自分のための覚書なのでスルーしてください・・・!!

★スロウハイツの神様

★イノセント・ゲリラの祝祭

☆翼 cry for the moon

☆青のフェルマータ

★挑戦だけがチャンスをつくる

★発酵食づくり

☆眠れぬ真珠

☆夜明けまでの1マイル

★ブラック・ペアン1988

★帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。

☆黒い太陽

☆仮面山荘殺人事件

★汝の名

☆もう一度デジャ・ヴ

☆獣の奏者

☆秒速5センチメートル

★でかい月だな

★月光スイッチ

今のところこんな感じ。あと何冊今月読めるかなぁ。

スロウハイツの神様★

新年一発目の本は・・・と本屋に行ったら。


あーーーー!!!!!辻村深月の新刊がある★

というわけで、『スロウハイツの神様』買って帰って、一気に読みました★

上下巻で、一冊400ページ超える本なんだけどなぁ。スロウハイツの住人達の行方が知りたくて夢中でした。

今、過去のページ見たけど、辻村深月を紹介するのってさりげなく初めてなんですね★大好きな作家の一人だからなんか意外な感じ。

ちょうど一昨年のこの時期が最初の出会いで、テスト期間にも関わらず夢中になって読んでしまいました(笑)その当時の本は今でも口コミ本として平積みになってたりします。気になる方は『冷たい校舎の時は止まる』ぜひ読んでみてください★

あのときは、怖さから逃げ出したいあまりに一気に読みました。

でもスロウハイツは違います。スーがどうかわるのか、環に届いたものはなんなのか、狩野は、正義は、とスロウハイツの住人が気になってしょうがないからページをめくるスピードが落ちなかったです。

私もここの住人になってみたいと思わされました。

どうやら辻村作品には、ここの中に混ざりたいと思わされることが多いように思います。『冷たい校舎の時は止まる』も殺されたくはないけれど、このメンバーに混ざって一緒に高校生したいと。『子どもたちは夜と遊ぶ』も同じゼミに入ってみたいとも。まぁこちらも殺される対象にはなりたくないですが。


なんか、必死で生きてる高校生やら大学生やらに不思議と共感してしまうんです。言葉では表現出来ないなにかが、たしかにそこにある。そんな感じです。






『もし、それが本当だとするなら、僕の書いたものが、そこまでその人に影響を与えたことを、ある意味では光栄に思います。人間の価値観を揺るがせてしまうなんて、小説って、僕が思う以上にすごい』
『作家冥利に尽きます』




「あなたにとっては、些細なことに映るでしょう。くだらないと、そう思うかもしれない。だけど、私の友達はみんな必死だわ。自分にとって何が武器になるのか。それを考えて、小説を書いて、漫画を描いて、必死に世界に関わろうとしてる。これが自分の武器なのだと考え抜き、これで訴えかけることができないんだったら、ホント王に自分の人生はどうしたらいいんだって、一生懸命なのよ。世界に自分の名前を残したい。それを一度夢見てしまった以上は、と今日も机に齧りついている」
 そのために、負けず嫌いが高じて人に会えなくなったり、衝突したり、自分自身を磨り減らしたり。そうしながら生きていく。この方法で世界に関わりたいと望んでしまったから。
 それが叶う場合も、叶わない場合もある。けれどそれにより挫折し、諦め、折り合いをつけることは、嘘をついて手に入れた幸せや楽しみよりきっと価値がある。

親指の恋人★

大好きな石田衣良さんの文庫の新刊です★単行本で出版されたときから気になってたから本屋で見つけたときはめちゃめちゃうれしかったーーー!!!

幸か不幸かたーーーっぷり時間だけはあるときだったし(笑)天神のカフェで読みました♪



これもまた現代ならではの物語でした。石田衣良さんらしい、現代の問題をいろいろ詰め込んだような感じ。

どれだけ必死にジュリアが生きようとしても、それを拒むかのように問題が起こっていく。そして自ら終わりを選んだ。これが、物語の中だけならいいなぁと思ってしまう境遇だけど、今でもこーゆー人はきっといるし、これからもっともっと増えていく可能性がある。

でもきっと現実に起こってても、私達は身近な人でない限り気付かない。だって自殺者なんて、年間3万人もいるのに(要は一日100人くらいってことですよ??おそろしい・・・)メディアで発表されるのも一握りだし、自分の知り合いでもない限りはわからない。(自分の知り合いでないことを願うが・・・)

いつの間にそんな生きにくい世の中になっちゃったのかな。私は今日と同じように明日も太陽が昇ってくれれば、そしてそれが変わらなければ幸せだと思える。でもそれはきっと環境に恵まれてるからで、ジュリアと同じ環境で思えるかは別の話。

んー、いろんなことを考えさせられるお話です。IWGP(池袋ウェストゲートパーク)もそんなシリーズですごく好きだけどね。今読み返してる途中で、自殺に関してもどっかで描かれてたな。

でも自殺する人って決めたらホント楽しい計画でもたてるようにその相談をするみたい。親指の恋人でもそのシーンはあるし、他の実際に亡くなられた方を取材してた本でも見たことがある。一瞬この話に混ざってみたいと思うほどに、楽しそうに描かれる。おそろしい話。



なんか・・・どんどん親指の恋人から私の駄文になってきたので戻そう!!

現代版「ロミオとジュリエット」と書いてあったけど、まさにそんな感じのお話です★こんないらっとするようなストーリーを綺麗に描かれる石田衣良さんはさすがだと思います♪

個人的には二人が過ごす最後の一日がとても好き。きっと、絶対にありえないことだけれども、もし私が誰かと心中するのならこんな最後の一日を過ごしたい。こんな風に満たされて最後を選べるのなら・・・と。絶対にありえないけれど、そう思わされました。




生きてるあいだはなにかを計画するのが、
あんなに苦しかったのに、
今はあれこれ調べるのが、
おもしろくてしかたないや。
なんだか、逆立ちしてるね。


おしまいにすると決めたら、
世界がキラキラしてきたよ。
変だね。わたしたち完全におかしいよ。



「そうだね。明日の新聞にはわたしたちの記事がでるのかもしれない。みんなきっとかわいそうにっていうんだろうな。でも、わたしたちが今、これ以上ないくらいしあわせだなんて、誰も想像しないだろうね。わたしたちはほんとにこんなに満たされているのに」

NO CALL NO LIFE★

旅行中に読んだ本達の紹介です♪でも今回は荷物の事を考慮して2冊しか読まなかったーー!!

今までの国内旅行で4泊とか10冊以上間違いなく読んでたのに!!奇跡だ(笑)

んで、たまたま目に入った一冊です★

帯のキャッチコピーが気になったのと、ジャケの絵に惹かれたので。マンガっぽいイラストもたまに読みたくなるのです★

その気になったコピーは『心が擦り切れそうな恋をした――。

高校時代特有の感じが描かれてる気がした。この後読んだ一冊も若さを感じたけど。

自分が過ごした高校時代とはまったく違う、でもこーゆー高校生いるんだろうなという感じのイマドキの高校生らしい感じ。

今の私の環境ではこうはなりえなかったけど、環境が違えばこんな生活してみたかった。闇の部分を除いて。

こんな拙い刹那的な恋は、たぶん私にはもう出来ない。だからこそ、心に残る物語でした。





「……航兄がわたしの知らない女の人とつきあいはじめたとき、すごく意地が悪い真っ黒な気持ちになったよ。なんで航兄はわたしだけの航兄じゃないんだろうって。どうすればわたしだけのものになるんだろうって毎晩考えた。……すきっていうのはそういうものだよ。春川はそんな気持ちになったこと、ないんじゃないのかね?」頭にピンクのチューリップが咲いている春川はそういう粘っこい感情とは無縁そうな奴だ。春川はきっと誰かを本気で好きになったことなんてないのだろう。
「あるよ」
と、ところが春川はさらりとそう答えた。

――中略――

指先で器用に煙草をまわしながら話す春川の妙に抑揚のない淡々とした声が、上昇する熱気と逆に冷たく重い空気になって階段の底に沈んでいく。「だからもし俺が、」春川がこっちを見て微笑った。踊り場に射す澱んだ陽光が春川の片頬を照らす。
「本気でどろどろするくらいあんたをスキになったら、あんたを殺したくなるかもよ?」
目をあわせていると、昼さがりの陽射しを気怠く反射する春川の少し薄い色の瞳に吸い込まれそうな気がした。
視線を受けとめたまま有海も微笑って、囁くように答える。
「いいよ」
冷房の効かない階段の湿った熱気が、一人分の距離をあけて座る二人を取り巻いて肌をべたつかせる。体育館でボールが跳ねる音が遠く聞こえた。
冗談で答えたわけではなかった。もし本当にそこまで自分を好きになってくれる人がいるのなら別にそれでもかまわないと、漠然と、けれどたぶん本気で考えた。




耳もとで心地よい声が囁いた。頷いて有海も春川の背中に腕をまわした。胸に耳をつけると心臓の音が聞こえる。冷えた身体をお互いの体温で暖めながら、二人でようやく一人ぶんになったみたいな気がした。春川の存在だけが今ここにあるたった一つの確かなもので、今も未来もわからなかったけれど、それでもかまわなかった。
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自己紹介:
自由気ままに生きてます★かなりの負けず嫌いで、好きなことはとことんやるタイプです♪

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